「おらが村」の美しい四季の彩、いつまでも記憶の中で温めていたい暮らしの中の風物、スイスひとり旅で心を動かされた忘れられない風景‥‥。そんな写真の数々を 時間の糸を手繰り寄せながら スイス生活の記憶として残していきたい。
2020年6月19日金曜日
『欧州にはコウノトリという【種】はいない?』
うちを出て2分か3分ほど北に向かって歩くと、牧草地の向こうには裏山こと、ユートリベルクが見える。
淀んだ空気を風が一掃してくれる日には、この裏山からベルナーオーバーランドの御三家、アイガー、メンヒ、ユングフラウが見えるのだ(またこれかい 笑)。
さて、6月初旬の或る日のこと。
ポケットにコンデジを突っ込んでウオーキングに出た。
牧草地で目に飛び込んできたのが、赤いクチバシに白い胴体と黒い尾羽の優美な鳥だ。
それを見てトリ音痴の私は、ひとりごちる。
《あれは鶴の一種だな。いや~、コウノトリかも。うん、コウノトリで間違いないだろう》
牧草が刈り取られたあとの草原は大地が剥き出しになっていて、目には見えなくてもミミズや昆虫が土の中で蠢いているのが感じられる。
コウノトリ(に違いない鳥)は、それを狙ってここにやってきたのだろう。その他にも数種類の鳥が憑かれたようにご馳走をついばんでいる。
私はウオーキングのことなどそっちのけで、夢中でコンデジのシャッターを押しまくった。
夕食を終えて、あの鳥がコウノトリで間違いないことを確認しておこうと思い、念のためググッてみた。
トホホホ。信じられない。
コウノトリの生息地が東アジア辺りに限定されていたなんて、とんと知らなかった。じゃあ私が見たあれは、一体何だったんだ?と更にググって行くと‥‥。
わかった! 「シュバシコウ」という名前の鳥だったのだ。赤ちゃんを運んでくるのは、本当はこのシュバシコウだったのである。ヨーロッパや北アフリカ、中央アジアを縄張りにしている鳥らしい。
言いたかないけど、あたしゃ「シュバシコウ」なんて名前は初めて聞いたぞ。(^^;
ドイツ語では「コウノトリ」のことを「Schwarzschnabelstorch」、そして「シュバシコウ」のことを「Weissstorch」(←ごめんね、ドイツのドイツ語綴りじゃなくて。スイスではエスツェットは使わず「ss」で済ませるのです)と書いて区別するらしい。
違いはクチバシの色だ。赤いのがシュバシコウ。日本で見かける、灰色か黒いクチバシの鳥がコウノトリ。
近縁種なので、同じ「コウノトリ属」に分類されているらしい。2代目までなら雑種もできることから同一種とみるべきだと主張する学者もいるようだが、今のところ正式には「種」の分類上で上記のように名前が違うようだ。
なるほど、なるほど。
ブログのお蔭で、また一つ賢くなった。(^^;
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ウオーキングを終えて我が家に向かう途中で、白馬に乗った少女に出会った。かっこいい!
付録として1枚、貼り付けておきます↓
(今日の写真は全て2015年の6月に撮影)